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木材科学講座12
保存・耐久性
本書では、木材の長期利用およびそれに伴うリスクなどについて、森林学、微生物学、昆虫学、生化学、木材化学、木材構造学および建築学など、広範な領域にまたがる木材保存学の観点から解説する。
第1章 森林の営みと木材保存
第1節 森林と生物
森林と生態系/森林と菌/森林と人間
第2節 森と昆虫
森林と昆虫の多様性/樹木と昆虫の相互関係/人口林の拡大と害虫化/
世界の森林昆虫
第3節 森林の保護
虫害/樹病
第4節 木材保存の変遷と役割
木材保存の意味/木材保存の変遷/木材保存の役割
第2章 住宅の劣化と耐久性向上
第1節 住宅の耐用性と地球環境
地球環境保全と住宅のストック/耐用性と耐久性
第2節 木質住宅の劣化
劣化の時期とその状態/劣化の要因/劣化の地域性
第3節 耐久設計
木質構造/耐久性を考えた設計
第4節 耐火設計
木造建築の防火/準耐火構造の設計
第5節 木材の劣化診断
劣化診断の意味/木質部材の劣化診断法/木質構造体の劣化診断
第6節 保守・管理
住宅のライフサイクルとメンテナンス/日常的メンテナンスと定期的メ
ンテナンス/これからのメンテナンス
第3章 木材の腐朽
第1節 細菌類による腐朽
細菌類による木材の劣化と腐朽
第2節 表面汚染菌、変色菌
表面汚染菌/変色菌
第3節 腐朽菌
種類と分解機構/腐朽の発生と進行/腐朽菌の酵素
第4節 木材の耐朽性
主要樹種の耐朽性/耐朽性成分
第4章 木材の害虫
第1節 生丸太の虫害/針葉樹の虫害/害虫の防除
第2節 乾材の虫害
乾材害虫の発生の生物学的背景/乾材害虫の被害の一般的特徴/乾材害
虫各種/乾材害虫の防除
第3節 シロアリ
シロアリとは/経済的に重要なシロアリ/シロアリによる木材の分解機
構/シロアリと環境
第4節 地中用材の虫害
海虫の種類と分布/食害の特徴/食害防止
第5節 木材の耐虫性
木材成分と昆虫および海虫
第5章 木材保存例
第1節 木材防カビ材
木材防カビ材の意味/種類/要求される性能
第2節 木材防腐剤
木材防腐剤の意味/種類/要求される性能
第3節 防虫(蟻)剤
木材防虫(蟻)剤の意味/種類/性能(性能試験)
第4節 木材保存剤の安全性
有害性と有効性/毒性試験法/判定の基準と法規制/安全性の評価
第6章 保存処理法
第1節 保存処理と木材の組織構造
木材中での薬剤の浸透経路/木材の組織構造と浸透性/木材中での浸透
性判定法
第2節 立木、生材処理法
注入法の原理と種類/注入量、注入速度に影響する因子/立木注入処理
材の特徴
第3節 常圧処理法
塗布、吹付け処理法/浸せき処理法/拡散法/温冷浴法
第4節 加圧処理法
加圧処理用薬剤/処理前の木材の調整/処理条件/加圧処理木材の品質
第5節 現場処理法
土壌処理/木材処理/防除処理上の諸注意
第6節 浸透制改良法
壁孔破壊処理法/刺傷処理法/注入法の改良
第7章 木材の熱分解と防火
第1節 木材の熱分解
熱分解/着火と燃焼/大断面集成材の耐火性能/炭素材料としての機能
第2節 防火剤と防火処理
木材の難燃化/防火剤/防火処理/防火試験方法
第8章 木材の風化と耐候性
第1節 木材の風化
風化の因子/表面劣化と変色/木材の風化と劣化機構
第2節 耐候性の向上と塗装
耐候処理の考え方/塗装処理/化学処理
第9章 保存処理技術の展開
第1節 木質材料の耐朽性
木質材料の耐朽性/木質材料の生物劣化/木質材料の構造耐朽性
第2節 木質部材の接合と耐久性
木質機構における接合法の概要/接合金物の劣化と耐朽性
第3節 木材の汚染とその除法
化学汚染と生物汚染/その他の汚染/汚染の除法
第4節 エクステリアウッド
エクステリアウッドの種類/エクステリアウッドの劣化/エクステリア
ウッドの保存処理
第5節 化学加工木材
アセチル化木材/ホルマール化木材/その他の化学処理木材
第6節 木質文化財の保存
遺跡にて出土した木製品の保存/仏像、絵馬、民具の保存
資料・・・木材保存の試験法
1 木材腐朽試験法
2 木材の防カビ試験法
3 乾材害虫試験法
4 シロアリ抵抗性試験法
5 木材の保存剤の安全性と試験法
一口メモ
食用キノコは腐朽菌
自己修復能力
ナミダタケに泣かされる
菌の生活環
心腐れ
ウコンとヤマモモ
シロアリの道しるべ――フェロモン
ハザードクラス
ミクロフィブリル配列の発見
クローンと無性生殖
空隙率を計算しよう
おもろそうしとアオガンピ
法隆寺の謎
木橋の高耐久(朽)化策を考える
住宅の外壁の汚れを守る
索引と用語解説
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