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キトサンと木材保存

環境適合型保存剤の開発

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定価 2,970(本体2,700円+税)円
ISBN9784860993566(486099356X)/C3061
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※eStoreで販売
2,970(本体2,700+税)円
ISBN9784860997199/C3861

内容紹介

カニ殻が主原料の木材防腐・防虫・防カビ・防汚等、木材の欠点をカバーする保存剤を紹介。自然由来で環境にやさしく、安定した効力の持続性と安全性に優れている。木材利用の大きな課題の1つである「生物的劣化」をカバーする木材保存技術。

書評・紹介記事

木材学会誌,67巻2号、2021 書評欄に掲載していただきました。

主要目次

I 木とキトサンの類似性とキトサンの諸特性
第1章 はじめに
 1.1 木は遠い昔、カニであったか?
 1.2 木とカニの骨格構造と骨格成分の類似性
第2章 キチン・キトサンの諸特性
 2.1 豊富なバイオマス資源
 2.2 稀少金属元素の回収能
 2.3 化学的安定性
 2.4 生物学的安全性
 2.5 代替性
 2.6 住環境快適性
 2.7 浄化作用

II  キトサン金属錯体系木材保存剤の開発と利用
第3章 キトサン金属錯体系木材保存剤の開発
 3.1 木材保存の考え方
 3.2 木材保存剤の歴史
 3.3 木材保存剤が具備すべき要件
 3.4 新たな木材保存剤の開発
 3.5 キトサン金属錯体系木材保存剤開発の着想
 3.6 キトサン金属錯体系木材保存剤開発の経過
第4章 キトサン金属錯体の木材保存剤としての適合性
 4.1 キトサン金属錯体の最適生成条件
 4.2 キトサン金属錯体の木材固着性
 4.3 キトサン金属錯体の木材浸透性
 4.4 キトサン金属錯体の実寸大木材への注入処理
 4.5 キトサン金属錯体の木材中での浸透部位
 4.6 キトサン金属錯体の繰り返し注入試験における薬剤安定性
 4.7 キトサン金属錯体の防腐性能
 4.8 キトサン金属錯体の防蟻性能
 4.9 キトサン金属錯体の鉄腐食性
 4.10 キトサン金属錯体の吸湿性
 4.11 キトサン金属錯体の防カビ効果
第5章 キトサン銅錯体処理材の屋外実用試験
 5.1 屋外における野外腐朽試験
 5.2 転落防止柵の長期設置試験
 5.3 フナクイムシに対する忌避効果
 5.4 フジツボの付着防止効果
 5.5 木製ベンチの耐久性試験
第6章 キトサン銅錯体処理の諸効能
 6.1 木材の紫外線劣化抑制効果
 6.2 シュロ紐の紫外線劣化抑制
 6.3 ラミー糸の耐光性向上
 6.4 白色レーヨン布の紫外線吸収反応
 6.5 ジュート織物に対する劣化抑制効果
 6.6 ジュート麻布製土嚢袋の耐久性改善
 6.7 シロツメグサの生長に及ぼすキトサン銅錯体処理シート敷設の効果
 6.8 ダイコンの生長に及ぼすキトサン銅錯体処理シート敷設の効果
 6.9 花奔栽培におけるキトサン銅錯体処理シート敷設の効果
 6.10 蚊の羽化抑制効果
 6.11 ナメクジに対する忌避効果(1)
 6.12 ナメクジに対する忌避効果(2)
 6.13 アフリカマイマイに対する忌避効果
 6.14 大腸菌に対する殺菌効果
第7章 キトサン銅錯体処理材の施工事例
 7.1 鳥取県智頭町石谷家住宅表門
 7.2 保育所パーゴラ
 7.3 山頂避難小屋
 7.4 砂浜防砂壁
 7.5 浮き桟橋
 7.6 木製防舷材
 7.7 転落防止柵
 7.8 木製デッキ
 7.9 海苔養殖網固定用木杭
 7.10 植木鉢・プランター
第8章 キトサン銅錯体処理の使用上の注意事項
 8.1 キトサン銅錯体の安全性
 8.2 キトサン銅錯体の魚毒性
 8.3 キトサン銅錯体の使用上の注意

索引・用語解説

執筆者紹介

古川 郁夫 (FURUKAWA Ikuo)
1946年生。木材解剖学、木材材質学、環境木材科学が専門。農学博士(京都大学)。鳥取大学農学部助手、助教授、教授を経て、現在、環境木材研究所(EWRI)所長、鳥取大学名誉教授。内蒙古農業大学客員教授(林産工学)、日本放送大学学園客員教授(環境木材学)、鳥取大学連合農学研究科長、文部科学省産学連携推進機構統括コーディネータ、農林水産省産学連携推進コーディネータ、鳥取県森林緑化推進会会長、鳥取県木材工業研究会長を歴任。主な著書に、『広葉樹の文化』(海青社、2010;共編)、『広葉樹の育成と利用』(海青社、1998;共編)、『広葉樹資源の管理と活用』(海青社、2011共編)がある。

小林 智紀 (KOBAYASHI Tomonori)
1953年生。木材保存学が専門。農学博士(鳥取大学)。東洋木材防腐(株)(現・ケミプロ化成(株))研究開発部長、三和インセクティサイド(株)代表取締役を経て、現在、ライオンケミカル(株)専務取締役。NPO法人環境生物科学研究会理事長、環境木材研究所(EWRI)役員。研究業績として、学術論文13篇、プロシーディングス等12篇、研究資料10篇、研究報告書8篇、研究記事7篇、著書7篇、研究発表44篇、学位論文(修士号、博士号各1篇)、特許等28篇、受賞2回がある。